はじめに
就職して新社会人になった方、
将来の目標を立てて、資金を貯めたい方、
漠然とした将来の不安で、貯金を増やしたい方、
目的はいろいろありますが、貯蓄の王道は天引きです。それをお話しします。
この記事を書いた人
kumako
ファイナンシャルプランナー (AFP)
私の話
私は、いまでこそ貯蓄に苦労していませんが、以前はお金が貯められない日々を過ごしていました。
縁あってFPの資格を取ったので、貯蓄に対して無関心ではなかったと思います。
でも当時、毎月給料日前にはわずかな金額しか残らず、どうしたら良いのか、不安を持って暮らしていました。
昔の自分へ
今の自分からFPの立場で、昔の自分にアドバイスするなら、
給与-消費=貯蓄額ではないです
給与-貯蓄額=消費可能額です
貯蓄を先に取るということ
勤務先が、給与から一定額を先に引き去ることを、一般には天引きといいます。
税金や保険掛け金を引き去ることも、天引き。貯蓄額を引き去ることも、天引きです。
私たちは、支給された給与から天引きされた後の、残りの手取り額の中で生活することを意識しています。
支給額から先に貯蓄額を天引きしてしまうと、引き去った貯蓄額は元からなかった、と錯覚します。
でも、実際には着々と貯まっていく、ということです。
お金に色はついていない?
FPの学習を始めてから、お金に色はついていない、という言葉を知りました。
食費用のお金、教育用のお金、遊び用のお金、と区別していたとしても、
お金に色はついていないよ、どこに使ってもよいんだよ、柔軟に使ってチャンスを逃さないようにしよう、
という、お金の用途に縛られるな、という意味合いがありました。
他に、どんな手段で稼いでも、汚いお金もきれいなお金も一緒、という意味合いで使われることもあります。
ですが、貯蓄に役立ってくれる、一様なお金を区切ってくれる仕切り、はあります。
強制力の効果
貯蓄に強制力を持たせてくれる、お金の仕切り、これが天引きです。
給与からの自動天引きと、自分で毎月一定のお金を取り分けるので、金額が同じなら何も変わらないように見えます。
しかし、一旦自動天引きを設定すると、天引きを続ける方に現状維持バイアスがかかります。
人に備わった非合理的な行動特性の一例として、
現状を変えたくないという選択をする現状維持バイアス
現状維持バイアス
選択肢にメリットとデメリットが共に存在するとき、リスクや失敗を恐れて非合理的な選択をすること
があります。
ですが、自分でお金を取り分けていると、面倒な取り分けをやめてしまう方向へ現状維持バイアスがかかります。
結果はずいぶん違ったものになります。
勤務先に財形貯蓄制度がある場合、この制度を使わない手はありません。引き出す手続きは面倒なため、現状維持バイアスが勝って天引きが続くようになります。
給与振り込みをしている銀行で、普通預金から定期預金へ自動振替するよう手配するもの良い方法です。
まとめ
貯蓄を続けるためには、意志の力に頼るより、貯まるしくみを作るほうが大事です。
貯蓄には天引きを活用すること、これをぜひ実行してみてください。